クライスラー2
クライスラーの書いたヴァイオリン小曲は、いずれもロマン的情緒にあふれ、旋律が親しみやすく、おぼえやすいのが特色となっていて、いうならば、ショパンやメンデルスゾーンがピアノ小品でやったことを、クライスラーはヴァイオリンで行なったのである。
その多くの作品のなかでも、よく演奏されるのは、《愛の喜び》《愛の悲しみ》《ウィーン奇想曲》《美しきロスマリン》《中国の太鼓》《ロンドンデリー・エア》など。
だが、これらの曲を演奏するには、技巧だけではだめで、すぐれた"歌心"を持っていなければ、作品の真価を伝えることはできない。